方言は我々の貴重な文化遺産であり、地域文化の象徴的存在と言えます。
また、そこに暮らす人々の精神的支柱でもあります。
今回の大震災は、そうした方言にどのような影響を与えるでしょうか。
また、生きた言葉としての方言は、地域の復興にいかなる役割を果たし得るのでしょうか。
そして、この震災を機に、今後方言をどうしていくべきなのでしょうか。
そうした問いに答えることは、われわれ、方言に関心を持つ者にとって、
今、ぜひとも取り組まなければならない課題と言えます。
こういった考えのもと、東北大学方言研究センターでは、学生たちとともに、これまで、被災地の方言をめぐる様々な課題に取り組んできました。
◇研究報告会
富山市民プラザで行われた
「東日本大震災と方言に
関する研究報告会」
の報告の一つとして、
東北大学方言研究センターが
本年度行っている活動、
①被災地文献目録
②東日本大震災と方言ネット
③被災地談話資料作成
それぞれの進行状況を報告するとともに、文化庁委託事業全体について議論を交えました。
◇図書
我々東北大学方言研究センターが昨年度から行っている取り組みをまとめた本が出版されました。
●方言を救う、方言で救う 3.11被災地からの提言
(東北大学方言研究センター著、ひつじ書房)
◇学会ワークショップ
東北大学で行われた
社会言語科学会のワークショップの
取り組みの一つとして、
本Webサイトの活動を発表し、
議論を交えました。
◇学会配布冊子掲載
日本語教育国際研究大会で行われた特別企画イベント、
「みんなのまちづくり―震災のあと行ってきたこと,これから行っていくこと」
において配布された冊子に、
本Webサイトの構築と方言パンフレット作成の取り組みを紹介しました。
◇研究論文
「日本語学」5月号“特集 災害とことば”に東北大学方言研究センターの取り組みが紹介されました。
●東日本大震災と被災地の方言─東北大学方言研究センターの取り組み─
(小林隆・中西太郎・田附敏尚・川越めぐみ・津田智史・魏ふく子
・坂喜美佳)